パート・アルバイトの重要性が高まる、いかにやる気を出してもらえるか…「ワーキングシェア」「ママキャリ(評価制度)」「メイト社員」

人事制度

4月10日 日経産業新聞からの抜粋+一部編集です。

 

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パートやバイト、雇用拡大、目標に楽しさ、やる気創出―マイネット、西友

 

 

パートやアルバイトなど非正規社員の活用に向けて、個人のやる気を引き出す手法が改めて注目を集めている。

スキルアップに応じて子供が喜ぶ商品券を配ったり、正社員への道を早期に開いたりと各社知恵を絞る。

今や全体の3割超にまで拡大した非正規雇用。

単なる人件費削減の手段ではなく、1人ひとりの能力をどう高めるかの施策の重要性が増している。

 

ソーシャルゲームなどを手掛けるマイネット(東京・中央)。

パート社員が23人働いていており、全従業員75人の3割超を占める。

パートの積極活用を始めたのは2010年春から。

 

上原仁社長の

「主婦の高い職業スキルが活用できていないことは日本社会の損失だ」

との思いから始まった。

 

ただ、パートは子供の病気などで急に仕事を休む場合があり、企業が雇いにくい事情もあった。

その解消を目指して生まれたのがマイネット流のワーキングシェアだ。

 

社内の通常業務を庶務や採用、デザイン画像の加工やサイト掲載用の文書作成など、「タスク」として十数に分類。

パート数人が1組のチームとなって同じタスクに就くことで、突発で仕事を休む必要がでても他のメンバーがサポートできる体制を常時整えた。

マイネットでパートは月2回まで当日の休暇取得が認められている。

 

昇給制度も特徴的だ。

 

与えられたタスクが

(1)分かる

(2)できる

(3)教えられる

に分かれ、3段階で能力を認定する。

 

認定レベルが1つ上がれば5%程度時給が増える。

1つのタスクを3段階まで習得できたら未経験のタスクに就くことで

「多能工化を進めている」(上原社長)。

担当タスクが増えればその分、評価され時給も上がっていく。

 

今年1月には「ママキャリ」という新たな評価制度も導入した。

 

半期に一度、パート全員と面談してタスクの認定レベルやその習得数をどれだけ広げられるかの目標を設定する。

達成できたら時給アップのほか、子供向けの図書券や家族で使うレストラン食事券などが当たる社内限定のおみくじ券をプレゼントする。

 

こうした要素を取り入れることで「スキルアップが楽しい」という雰囲気ができる。

今年からパートで働き始めた鎌田美香子さん(38)は6歳と3歳の姉妹の母で、採用チームの一員。

 

ママキャリについて

「期待されていることが目標達成のモチベーション。

 決まった仕事をこなすだけではそうならない」

と話す。

 

パート社員だけではない。

マイネットではパートの担当業務をどれだけ増やせたかが、管理職である上司の1つの評価基準になる。

パートが活躍すればその分だけ社員は新規事業に注力できるためだ。

韓国など海外で人気の新作ゲームの開発や、シンガポールへの拠点開設など一連の事業拡大の動きはパート社員の活躍が担う部分が大きい。

 

やる気を高める仕組みづくりの先駆者は西友だ。

従業員約2万6000人の8割強を占めるパートやアルバイトなどをメイト社員と呼ぶ。

メイト社員も入社後、正社員と同様に店舗でのレジ打ちなどを担当するランクの「G1」から始まる。

 

売り場リーダーであるG2への昇進は週30時間以上働くことが条件となるほか、目標達成度合いと適性がチェックされる。

上位25%以内に入ることが昇進の最低条件だ。

メイト社員のモチベーションが高まるのは、単に時給が上がるだけでなく、厳しい選考を経て部下を指導するポジションに立てること。

位置づけを明確にすることで責任感が生まれる。

 

売り場責任者であるG3に到達すれば希望者の全員が正社員になれる。

ハードルは高いが努力次第で

「入社から最短2~3年で到達する場合もある」(南由紀人財部シニア・ダイレクター)。

 

赤羽店(東京・北)で働くメイト社員の増村一樹さん(26)は

「頑張れば社員になれるため、努力の成果が分かりやすい。

 早く認められる存在となりたい」

と意気込んでいる。

 

例年、G3到達者の半数以上が正社員を希望する。

12年は約60人が転向し、これまでの累計は約220人となった。

元メイト社員が副店長クラスとして働く店舗も増えてきている。

 

モチベーション引き上げに11年には、G2までだったボーナス支給対象をメイト社員全員に広げた。

正規か非正規かを働き方で区別せず、あくまでも能力主義でキャリアの道を開くことが従業員のやる気を高めている。

 

厚生労働省がまとめた「2010年就業形態の多様化に関する総合実態調査」によると、全国で正社員と非正規社員が一緒に働く職場は全体の71・9%を占めた。

もはやパートやアルバイト、派遣社員などがいない職場は少数派だ。

 

これまで非正規社員を「調整弁」と位置付ける企業は多く、研修などの教育投資やキャリアアップの機会の提供は十分ではなかった。

非正規社員を活用するうえでの問題点に、「良質な人材確保」や「仕事に対する責任感」に加え、「仕事に対する向上意欲」(38・4%)をあげる企業が多いのもそのためだろう。

 

4月施行の改正労働契約法では同じ職場で5年を超えて働くパートなどの有期雇用者が希望した場合、企業は無期雇用に切り替える義務を負うことになった。

パートと長期雇用をセットで考える時代に入っているなかで、ますますやる気の引き上げ策が大切になっている。

 

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パートやアルバイトの比率が高まってきています。

その為、非正規スタッフを以前のような「調整弁」ととらえるのではなく、いち労働スタッフとしてみなし、いかにモチベーションを上げて仕事をしてもらうか…という事が重要視されてきました。

生産性を上げる意味でもありますよね。

 

加えて、女性の活用も考えていくべきです。

政府も女性の社会進出を後押しする政策を増やしておりますし、労働力の低下により、高齢者・女性の活用も必要な為です。

 

安倍総理の「育児休業を3年に」とうのも、その一環。

ただ単に女性の活用の為…ではなく、その背景にはいろいろあるのですよね。

 

特に昨今は政権が変り、大きく変化している時期でもあります。

他社の動きは勿論ですが、政府の動きも注視する必要がありますよね。

 

 

 

尾登 正幸

ブログ著者:尾登 正幸

埼玉県出身。大学3年生の就職活動期に “人生を楽しむことを手伝える” 仕事での起業を決意。同じ志を持つ仲間と3年後の会社設立を目標として共有し、ノウハウを得るため2006年に人材派遣会社に就職した。2008年12月、仲間と共にRAYERED(株)を設立し、2010年からは代表取締役に就任。ビジョンの共有を核とする人事コンサルティングや、人事適性検査にフィードバックを付けるサービスはリピーターが多い。人事適性検査をフル活用した独自のスキームにより、企業と人のベスト・マッチングを提供している。

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