「女性活用の後進国」返上へ、眠る労働力340万人を鼓舞

人事ニュース

5月23日 日経産業新聞からの抜粋+一部編集です。

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「女性活用の後進国」返上へ、眠る労働力340万人を鼓舞――問われる国の本気度

政府は22日、「女性活躍による経済活性化の推進」に関する関係閣僚会議の第1回会合を開いた。

重点項目を洗い出し、夏にまとめる日本再生戦略に盛り込む。

女性人材の活用に向け、国が重い腰を上げた格好だ。

先進国でも女性活用の遅れが目立つ日本。

カルビーなど民間で先行する動きの後押しが求められる。

「次の最高経営責任者(CEO)は女性でもいい」。

カルビーの松本晃会長兼CEOは18日、女性活躍支援の国際組織ウィン(スイス)が開いたセミナーで言い切った。

ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人社長を経て09年6月、現職に就任した松本氏が最初に手がけたのが女性活用だった。

10年4月、女性社員を中心とするダイバーシティ委員会を設置。

12年度末に本部長ら管理職の女性比率を15%以上にする目標も掲げる。

松本氏は

「女性の活躍なくして企業の成長はない」

と語る。

重要な仕事でも女性を抜てきしたほか、女性が生き生き働ける環境を徹底して整えることで士気も向上。

12年3月期の連結純利益は前の期比67%増の70億円。

3期連続で最高益を更新する原動力となった。

グローバル競争の切り札として女性活用に取り組むのは海外ではもはや当たり前だ。

「買い物の意思決定は7割を女性が握る。

企業には女性のアイデアやリーダーシップが必要」。

ペプシコアジア太平洋地域のユームラン・ベバ社長は語る。

ペプシコは経営幹部の評価項目の1つに

「ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容)」

を導入した米国初の企業だ。

23カ国を統括するベバ社長は

「昇進の候補者リストには必ず女性を入れる」。

ペプシコトルコでは女性管理職比率が5割を超えたという。

ノルウェーなど欧州各国は取締役の一定数を女性に割り当てるクオータ制を導入している。

女性登用は政治分野でも進み、16日に発足した仏新内閣の閣僚は男女半々だった。

一方、11年版男女共同参画白書によると、日本企業の女性比率は課長で7%、部長で4・2%。

上場企業の役員は1・2%だ。

企業経営者が慎重なのが理由だ。

「男性経営者が女性活用に動くようなデータをもっと出すべき」。

17日、経済産業省が開いた女性経営者との懇談会で、佐々木かをりイー・ウーマン社長は枝野幸男経産相に注文をつけた。

実際、女性活用と業績の関連性を示すデータはある。

山口一男シカゴ大学教授が日本企業を分析したところ、ワークライフバランス(WLB)推進を「ほとんど何もしない型」の企業に比べ「全般的WLB推進型」の企業は生産性が高かった。

業績面だけではない。

少子高齢化が進む日本では、50年に15歳以上65歳未満の生産年齢人口が全体の約5割に減る。

眠れる労働力である女性就業希望者は342万人。

働き手としての女性活用は待ったなしだ。

22日の初会合後、古川元久国家戦略相は

「女性の活躍は経済再生に不可欠な課題として取り組む」

と述べた。

年内にポジティブ・アクション(格差是正の積極的な措置)など具体的な施策をまとめる。

「男性の意識改革が重要で、私自身から始めたい」(古川氏)。

世界でも日本と並んで女性活用が遅れていた韓国も、国会議員選挙の候補者に女性クオータ制を導入、国家公務員の採用で女性合格者が3割を上回るよう優遇措置を取り始めた。

グローバル競争に勝つ人材戦略を各国が競う中で、日本も変われるか。

政府の本気度が問われる。

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ノルウェーと韓国でクオータ制導入。

ペプシコトルコでは、女性の管理職比率が5割。

カルビーでも、女性の代表取締役が誕生するかもしれない。

まだまだ日本は女性活用の後進国。

先日の記事にもしましたが、高齢者活用・女性活用の動きが増えてきています。

それに合わせて、新聞記事も増えてきています。

世の中の動きがそうなっている事が、良く分かります。

尾登 正幸

ブログ著者:尾登 正幸

埼玉県出身。大学3年生の就職活動期に “人生を楽しむことを手伝える” 仕事での起業を決意。同じ志を持つ仲間と3年後の会社設立を目標として共有し、ノウハウを得るため2006年に人材派遣会社に就職した。2008年12月、仲間と共にRAYERED(株)を設立し、2010年からは代表取締役に就任。ビジョンの共有を核とする人事コンサルティングや、人事適性検査にフィードバックを付けるサービスはリピーターが多い。人事適性検査をフル活用した独自のスキームにより、企業と人のベスト・マッチングを提供している。

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