増えぬ若者の起業-成長戦略「開業率倍増」に壁

人事ニュース

8月5日 日本経済新聞からの抜粋+一部編集です。

 

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【増えぬ若者の起業―成長戦略「開業率倍増」に壁】

 

会社を興し社長になる――。

こんな夢に挑む若者が減っている。

政府は起業数が会社数に占める「開業率」をいまの2倍に引き上げ英米並みにする目標を掲げた。

 

「シニア世代の方が目立つ」。

こう話すのは、ブラザー工業が開く「東海若手起業塾」で経営戦略を教える小出宗昭氏。

「大企業に就職するのが一番」と考える若者が依然として多いためだ。

 

若者の起業率の低下はデータからもうかがえる。

日本政策金融公庫によると、2012年に起業した人で29歳以下の比率は9・8%。

1990年と比べ5ポイント超低下した。

 

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起業を志す若者が減っているようです。

政府は開業率を増やそうとしているようですが、今の日本の状況では、それも仕方ないような気もします。

 

日本では、起業に失敗したときのリスクが大きいですよね。

即戦力を求めているとは言え、多くの企業は新卒を重視している傾向があります。

その為、起業に失敗すると職探しも難しい事もあり、社会復帰に苦労が伴うのですよね。

 

人材紹介をしていた頃にもよくありましたが、

「元々社長をしていたような方を採用するのは、正直気がひける。

 扱い方も難しいし、本人もプライドが邪魔してか、職場にも溶け込みづらい」

というものです。

 

もちろん、全ての企業がそういうわけではなく、むしろ歓迎している企業もあります。

企業によってまちまちである事はいうまでもありませんよね。

 

アジアだけではなく、世界的見ても、日本の起業意欲は低いようです。

以前blogにもUPしましたが、日本・米国・中国・韓国の中では最低でした。

2012年に公開されていたデータでは、起業準備・創業3.5年以下の企業は、100人中4人であり、調査対象69か国中最低だったそうです。

 

個人的に思うのは、

 

・日本人の性質が安定志向、出るくいは打たれる精神が強いため、できるだけリスクを侵したくない

・失敗した際の社会復帰が難しい…流動性が低いので、安月給の非正規しか残っていない

・借金を背負った際、社長の財産が全てなくなる

・普通に働いていればある程度の生活はできてしまうので、ハングリー精神にかけてしまう

・遠慮・譲り合い・謙虚が美徳の文化でもあるので、「自分にはできない」と思ってしまう

 

などなど、色々考えられると思います。

 

異文化経営論から見ても、日本はギリシアと価値観が似ていて、安定志向なのです。

実際、就職活動生の職業人気ランキングを見ても、「公務員」は常に上位に位置しています。

ギリシア国内に公務員が多い事は、よく知られている事ですよね。

 

金銭面に関しては、政府も動いているようです。

金融庁と中企庁は経営者自らが融資の保証人になる「経営者保証制度」を改め、会社が倒産しても個人財産が全額没収されないように指針をつくるとの事です。

倒産しても社長の個人試算が全額没収されないのであれば、確かに起業しようと考える方も増えるかもしれません。

 

起業することが全てではないと思いますが、増える事は良い事だと思います。

私もまだまだ志半ば、毎日一生懸命学び、初心を忘れず頑張っていきたいと思います。

 

 

尾登 正幸

ブログ著者:尾登 正幸

埼玉県出身。大学3年生の就職活動期に “人生を楽しむことを手伝える” 仕事での起業を決意。同じ志を持つ仲間と3年後の会社設立を目標として共有し、ノウハウを得るため2006年に人材派遣会社に就職した。2008年12月、仲間と共にRAYERED(株)を設立し、2010年からは代表取締役に就任。ビジョンの共有を核とする人事コンサルティングや、人事適性検査にフィードバックを付けるサービスはリピーターが多い。人事適性検査をフル活用した独自のスキームにより、企業と人のベスト・マッチングを提供している。

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