企業の価値観、社員が作る…日立ハイテクの「WAY活動」

人事ニュース

 

企業のあるべき姿や共通の価値観を社員に浸透させ、改善や成長を目指す「WAYマネジメント」。

トヨタウェイ、花王ウェイ、そして日立ハイテクウェイ…。

大手企業の中でも、広がりを見せているようです。

 

 ※6月27日 日経産業新聞 日立ハイテクのWAY活動

 

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◇WAYとは…

組織及びその組織で働く従業員が全員で共有し、いかなる行動を起こす場合においても基準となるもの

 企業全体で持つべき共通の価値観の総称

 「企業理念」「行動指針」「ビジョン」「ミッション」等がこれに相当する

 

・個々の従業員の「思考」「解釈」「判断」「行動」「成果」等、

 「インプット」「スループット」「アウトプット」のどの場面においても基準となる価値観であり、

 人材マネジメントの根幹とも言える概念である

 

 ※参照:コトバンク「WAY」

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記事にあった日立ハイテク社は、2001年に2つのグループと日製産業社が統合して設立されました。

その後も複数の企業を吸収合併したとの事で、社内には異なる企業文化が共存していたと言います。

 

出来合いの企業理念やスローガンを社員に押し付けても、行動を変える事は難しいですよね。

今回のケースのように、別々の企業が合併した際は、特にそうなのだと思います。

企業のあるべき姿を社員が自ら考える事が大切ですよね。

人事部と言うのは、そのような話し合いをする場を設けることも、仕事の1つなのだと思います。

 

何事もそうですが、押し付けられては自主性を保つ事は難しいものです。

自ら考え、行動する事が、パフォーマンスを上げる為にも重要な事ですよね。

 

日立ハイテクウェイでは、加えて「日立ハイテクウェイ賞」「社長賞」も設けたそうです。

WAYは社内に浸透したそうですが、実践的な活動に移す事が難しかったそうなのです。

 

 

【日立ハイテクウェイ】

・合併後、社員の意識をまとめる為、03年い「企業ビジョン」を作る

 しかし、いまひとつ社員の心に響かない

 

・08年に危機感を抱いた、当時の大林社長は、ブレーンストーミングによって価値観を共有する仕組み

 を提案

 WAY活動の原型となる

 

・ブレーンストーミングを重ねる

 最初は参加人数が少なかったが、10年度には国内外の幅広い業種から400人以上が参加

 そこで話し合われた4つの価値観、「チャレンジ」「オープン」「スピード」「チームワーク」

 これらを企業ビジョンや長期戦略と組み合わせ、11年に「日立ハイテクウェイ」としてまとめる

 

・ハイテクウェイ推進センターを設け、社員への浸透を図る

 

12年度からは「WAYリーダー」と呼ぶ部課長級の人材を通じて活動を推進

 リーダー数は全体で100人以上

 事前にWAYの考え方について研修を受け、リーダー自らがワークショップを主催して部署へ浸透させる

 

13年度には「ワールドカフェ」という、カフェのようにリラックスした雰囲気でWAYをどう生かすのか

 を議論する手法を導入

 40人程が4~5人ずつのテーブルに分かれて意見交換

 一定時間が経つと各テーブルに1人が残り、他のメンバーは別のテーブルに移り、議論を繰り返す

 

担当者が製造現場を毎日30分チェックするWAY活動を12年度から開始

 不良率が前月比80%減るなど、社員のモチベーションUPにも繋がっている

 

WAY活動、これからも広がっていくのではないでしょうか。

中小企業であっても、必要な事ですよね。

 

 

尾登 正幸

ブログ著者:尾登 正幸

埼玉県出身。大学3年生の就職活動期に “人生を楽しむことを手伝える” 仕事での起業を決意。同じ志を持つ仲間と3年後の会社設立を目標として共有し、ノウハウを得るため2006年に人材派遣会社に就職した。2008年12月、仲間と共にRAYERED(株)を設立し、2010年からは代表取締役に就任。ビジョンの共有を核とする人事コンサルティングや、人事適性検査にフィードバックを付けるサービスはリピーターが多い。人事適性検査をフル活用した独自のスキームにより、企業と人のベスト・マッチングを提供している。

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