経営者と従業員が認識しているミッション・ビジョンには、本質的な差がある…それは「覚悟」である:人事目線での現場のリアル

人事適性検査

適性検査を用いて新卒・中途採用や組織変革を支援していると、様々な人間模様が見えてくるもの。

理想と現実、本音と建前、机上の理論や綺麗ごとなど…。

経営者の思惑と現場の気持ちが乖離している事なんて、日常茶飯事。

今回は「経営者と従業員が認識しているミッション・ビジョンには、本質的な差がある…それは「覚悟」である:人事目線での現場のリアル」という話。

人事目線での現場のリアルを、代表の尾登がお伝えします。

 

経営者の考えるミッション・ビジョンと、従業員の考えるそれには、認識の差があるものです。

従業員の多くは、言葉の意味は理解していると思います。

しかし、「覚悟」の部分で差があるのです。

完全にイメージが一致しているわけではない事が大半です。

 

ミッション・ビジョンと言うのは、いわば会社の夢であり目標。

それはつまり、経営者の夢であり目標であるわけです。

多くの場合、経営者は何が何でも達成しようとします。

それに関しては、特に疑問は抱きませんよね。

 

たとえば採用時において、候補者の方はよくこんな事を言うでしょう。

「貴社のミッション・ビジョンに惹かれて…」

「私が思い描いている未来像と貴社のミッションが一致しているので…」

なんて。

自分のキャリアプランと会社のミッションがリンクしているという事を伝えてきます。

 

 

ここで注意したいのが、ミッション・ビジョンに共感している事を伝えてくる候補者の多くが、浅い部分での認識でしかない…という事なのです。

経営者が考えているレベルよりも、はるかに「覚悟」が足りていない…と考えるべきです。

 

経営者と言うのは、周りが遊んでいる時に仕事をしているものです。

経営者と言うのは、周りが恋人と遊んでいる時に勉強しているものです。

経営者と言うのは、周りが寝ている時に本を読んでいるものです。

様々な誘惑や自分の時間を犠牲にし、ミッション・ビジョンをかかげて頑張っているのです。

 

ミッション・ビジョンに共感しているという従業員/候補者の多くは、そこまでの覚悟はありません。

自分の時間を犠牲にしても、ミッション・ビジョンの為に身を捧げる事ができるのかどうか。

場合によっては、自分のお金を犠牲にしても、ミッション・ビジョンの為に身を捧げる事ができるのかどうか。

 

経営者の多くは、それができます。

というよりも、そういう経験をしてきた人が大多数ではないでしょうか。

身銭を切って会社の運転資金に企てている中小企業の経営者なんて、沢山います。

それでうまくいけば御の字。

当然、日の目を見ないまま潰れていく企業だってあります。

それぐらいの覚悟とリスクを背負っているのが、経営者なのです。

 

 

多くの従業員は、給料が下がれば、転職を考えるでしょう。

多くの従業員は、自分の頑張りに応じて見返りが少ないと思えば、転職を考えるでしょう。

多くの従業員は、会社が倒産しそうだと感じれば、転職を考えるでしょう。

 

その時点で、経営者との認識の差があるのです。

本質的な部分で、ミッション・ビジョンに共感しているとは言えないのです。

会社がシンドい時には、たとえ自分にとってマイナスな状況になったとしても、立て直す為に身を捧げる事ができるのか。

それが、ミッション・ビジョンに共感していると言える状態なのです。

 

経営者の皆さんは、「貴社のミッション・ビジョンに共感し…」という言葉は、あまり信じない方が良いですね。

浅いレベルでの理解しかない従業員は、泥舟からはすぐに降りようとします。

 

もっとも、従業員側から考えれば、至極当然の行動です。

自分の生活が第一ですからね。

家族がいる従業員もいるわけですから、責める事はできません。

不安定な生活よりも安定した生活を選ぶのが、一般的なわけですから。

 

ミッション・ビジョンでつながっている関係と言うのは、実は脆かったするのです。

それが浮き彫りになるのは、会社が危機的な状況になるまで分かりません。

口ではどんなに素晴らしい事が言えても、行動に移すのはほんの一部です。

 

経営者の皆さんは、基本的に従業員は覚悟が希薄である事を、理解しなければなりません。

 

 

尾登 正幸

ブログ著者:尾登 正幸

埼玉県出身。大学3年生の就職活動期に “人生を楽しむことを手伝える” 仕事での起業を決意。同じ志を持つ仲間と3年後の会社設立を目標として共有し、ノウハウを得るため2006年に人材派遣会社に就職した。2008年12月、仲間と共にRAYERED(株)を設立し、2010年からは代表取締役に就任。ビジョンの共有を核とする人事コンサルティングや、人事適性検査にフィードバックを付けるサービスはリピーターが多い。人事適性検査をフル活用した独自のスキームにより、企業と人のベスト・マッチングを提供している。

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