活発化する「ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)」

人事ニュース

11月22日 日本経済新聞からの抜粋+一部編集です。

 

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企業の選択―高度な業務も外部委託(ネット人類未来)

 

 

◇単純作業は社外へ――。

社内の業務を一部外注する「ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)」が日本でも活発になってきた。

 

調査会社のIDCジャパン(東京・千代田)によると

「人事」「財務経理」「調達購買」「カスタマーケア」(コールセンターなど)

の4分野のBPO市場は2011年時点で5656億円。

16年には1・2の6923億円に増えるという。

 

なかでも伸びるのは海外委託を意味するオフショアBPOだ。

11~16年までの年平均増加率は7%。

国内委託は4・1%の伸びにとどまる。

海外はまだBPO全体の5%程度だが、今後は比率が高まりそう。

 

人口減に向かう日本では貴重な労働力という面もあるが、仕事が国外に流出する面は否定できない。

 

海外BPOが伸びる理由は人件費の安さとIT(情報技術)の進歩だ。

「ネットワークでつながり、顧客企業の事務をリアルタイムで海外で処理できるようになった。

業務の手順がはっきり決まっており、操作に高いスキルも求められない」。

中国人の尚捷氏が会長兼社長を務めるBPO大手、インフォデリバ(東京・港)の伊藤嘉邦副社長はこう話す。

 

ITサービス企業は国内市場が1%台の低成長時代を迎える中、BPOに商機を見いだす。

NTTデータは12年度からの中期経営計画でBPOを注力業務の一つに掲げた。

上海周辺の無錫市にセンターを構え、人員を1000人規模に増やす。

 

トランスコスモス、インドの大手IT企業インフォシスも上海周辺にBPOセンターを設けている。

日本向けBPOが最も集積するのが大連だ。

野村総合研究所やSCSKといった日系企業のほかIBMやアクセンチュアなどの米IT企業、東軟集団といった中国勢がセンターを建設した。

 

インフォデリバも大連にセンターを構えた1社。

太陽生命保険や損害保険ジャパン、ニッセンなどを顧客に持ち、昨年は20社を新規に獲得した。顧客数は120社に上っている。

 

時差は日本と1時間ある。

だが、日本の時間と休日に合わせて仕事をする。

オペレーターは現在、1600人。

今後も仕事量の増加が見込まれ、2600人まで勤務できるよう建て増しをしたところだ。

 

「日本企業にとってBPOはもう当たり前の選択肢になった」

 

と伊藤副社長は話す。

 

最近は海外BPOが単純なデータ入力といった業務を超え、株価基準額の計算、製品の設計、集中購買計画の立案といった付加価値の高い業務も受託するようになってきた。

 

日本人にとっては安住の地が侵食される時代。

今後も「クリエーター」的な能力を身につけ、働き方の転換をさらに迫られる可能性がある。

 

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「自分にしかできない仕事」

「クリエイティブな仕事」

「日本人であることがゆえの優位性のある仕事」

 

それができねば、自分の仕事はグローバルに追いやられ、居場所がなくなってしまうのでしょうね。

 

 

 

尾登 正幸

ブログ著者:尾登 正幸

埼玉県出身。大学3年生の就職活動期に “人生を楽しむことを手伝える” 仕事での起業を決意。同じ志を持つ仲間と3年後の会社設立を目標として共有し、ノウハウを得るため2006年に人材派遣会社に就職した。2008年12月、仲間と共にRAYERED(株)を設立し、2010年からは代表取締役に就任。ビジョンの共有を核とする人事コンサルティングや、人事適性検査にフィードバックを付けるサービスはリピーターが多い。人事適性検査をフル活用した独自のスキームにより、企業と人のベスト・マッチングを提供している。

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