「ボーダーレス採用」…国内外からの応募者に同じ選考を受けてもらう、「トレーニー制度」…日本人の入社6~7年目の社員を研修生として海外子会社に約1年半派遣:バンダイ

人事制度

4月3日 日経産業新聞からの抜粋+一部編集です。

 

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バンダイが新採用制度、日本で選考、留学生に的、国内外の応募者、同じ基準で

 

 

玩具大手のバンダイは海外事業の拡大に向けて新たな採用制度を始める。

2014年度の新卒採用から、国内外からの応募者に同じ選考を受けてもらう「ボーダーレス採用」を実施する。

これまでは欧米の学生を現地で選考していたが、日本の文化や言葉になじめず離職する例が多かった。

選考を日本で一本化し、国内に住む留学生など適応力の高い人材採用につなげる。

 

「国境や事業領域の枠にとらわれず、活躍の場を広げられる社員になってほしい」。

 

1日に開いたバンダイナムコグループの合同入社式で、バンダイナムコホールディングスの石川祝男社長は新入社員にこう話した。

 

バンダイの今年度の新入社員は35人。

うち外国籍の社員は日本の大学で勉強した台湾出身の1人にとどまる。

外国人の新卒採用は10年入社の6人が直近のピークだった。

 

これまでの欧米重視の採用がうまくいかなくなっている。

同社は09年以降、欧米での事業拡大を目標に掲げ、現地での面接に加えて日本で数カ月のインターンシップを経て採用する枠を用意した。

09年度から12年度にかけて新卒で入社した外国人13人の大半は欧米出身者だった。

ところが文化や言語などの違いから、13人の約半分がすでに退社した。

 

バンダイナムコホールディングス人事部の富樫憲氏は、

「日本のおもちゃ作りに憧れて入社しても、言葉の通じにくい環境でさみしさを感じる社員が多く、うまく育成できなかった」

と反省する。

 

欧米だけでなく、市場そのものの成長が見込めるアジア圏での拡大を事業目標に加えた。

12~13年度の採用活動では、アジア圏の学生向けのビジネスコンテストに他社と共同で参加し採用方針を見直している。

 

今年は欧米での選考や合同説明会を実施せず、国内の外国人留学生向けの合同説明会に初めて参加した。

国内にいる日本語能力の高い外国人学生の採用にシフトした。

 

14年度から取り入れる「ボーダーレス採用」では、エントリーシートの受け付けや面接などの選考を全て日本で実施する。

国内外の学生を同じ基準で選び、新入社員全員をグローバル人材候補生として育てる狙いだ。

 

入社後の外国人社員は4~5年かけて国内で玩具の企画・開発などを学ぶ。

その後、海外子会社へ派遣するほか、海外向けの商品開発などに携わらせる考え。

 

日本人の入社6~7年目の社員を対象に、研修生として海外子会社に約1年半派遣する「トレーニー制度」を今年度から始める。

活発な人的交流で商慣習などへの相互理解を深め、海外事業の拡大につなげる。

 

14年度の新卒採用は50人に増やす。

「50人が全員日本人でなくてもいいと思っている」(富樫氏)

と、外国人の人材育成に強い意気込みでのぞむ。

 

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「ボーダーレス採用」

「トレーニー制度」

グローバルに対応する為、新たな採用方法、制度を導入するようです。

 

文中にもあるように、やはり文化の違いというのは、思っている以上に影響が大きいですよね。

日本人が海外に行くと戸惑うように、もちろん外国の方も日本に来ると戸惑いを覚えるはずです。

グローバル人材を採用したいという事で採用しても、やはりその後のケア等がしっかりしていないと続かない…。

これは、バンダイ社に限らず、外国人を採用している企業においては共通してかかえている問題のようです。

 

まだまだグローバル社会として開けたのは、歴史の浅い日本。

これからですよね。

 

 

尾登 正幸

ブログ著者:尾登 正幸

埼玉県出身。大学3年生の就職活動期に “人生を楽しむことを手伝える” 仕事での起業を決意。同じ志を持つ仲間と3年後の会社設立を目標として共有し、ノウハウを得るため2006年に人材派遣会社に就職した。2008年12月、仲間と共にRAYERED(株)を設立し、2010年からは代表取締役に就任。ビジョンの共有を核とする人事コンサルティングや、人事適性検査にフィードバックを付けるサービスはリピーターが多い。人事適性検査をフル活用した独自のスキームにより、企業と人のベスト・マッチングを提供している。

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