大学で「第2外国語」復権…英語以外の言語の授業を強化する動きが広がる

人事ニュース

 

一部の大学にて、英語以外の言語の授業を強化する動きが広がっているようです。

「英語プラス1」なんて言い方もしますよね。

ASEAN等やアジア市場への注目度が上がっている事もあってか、アジア圏での語学が中心のようです。

 

※参照

日本経済新聞:第2外国語復権…アジアに的、複眼思考育む、立命館、タイなど10言語に充実

 

安倍総理もASEANは強く意識していますし、世界経済的にも今後数十年はアジア中心。

タイ、シンガポール、マレーシア、カンボジアなどに進出する日系企業も増えています。

人材の多くは現地にて調達ですが、出張や駐在による仕事もあって、アジア圏の語学を話す事のできる人材が求められている傾向にあるのでしょう。

そういった企業の要望に応える形で、はたまた世の中の流れを把握し、大学側も変わろうとしているのだと思います。

 

◇英語以外の語学授業を強化する主な動き

 上智大学:総合グローバル学部設置、学べる言語も22言語に拡大

 法政大学:国際文化学部の3年生以上対象の上級講座、6言語に拡充

 慶應大学:経済学部にて第3外国語として学べるイタリア語講座を新設予定

 立命館大学:政策科学部にて第2外国語を3言語から10言語に拡充

 関西外国語大学:英語国際学部を新設…英語圏と中国語圏に半年ずつ留学

 立教大学:異文化コミュニケーション学部…5言語、留学も義務

 

ただ、言語の習得と言っても、以前とは少し内容が異なるようです。

 

昔は、外国語における専門書を読みこなすような力が必要とされていました。

外国の書籍を読む事で、専門的な知識を身につける…というものでしょう。

 

しかし、今日の大学教育のおける語学習得は「コミュニケーション」の意味合いが強いそうです。

専門書を読み解くというよりかは、外国人とのコミュニケーションツールに使用する。

最終的には、ビジネス外国語としてのレベルを求めているのかもしれません。

 

専門的な知識取得から、コミュニケーションツールとして変わっているのです。

 

となれば、考えるべき事も変わってきますよね。

コミュニケーションを求められるという事は、語学だけできてもダメだと言う事です。

書籍ではなく相手がいての語学なので、それ以外の能力も必要になってきます。

 

相手の気持ちを汲み取る力。

話を聞く力。

自分の意思を伝える力。

そして、人間的な魅力などなど。

 

つまりは、日本人同士でも求められるコミュニケーションレベルを、外国語レベルでも求められるという事ですよね。

 

経営者によっては、英語が話せなくとも良い…という方もいます。

通訳をつけて仕事が出来るなら問題ない、という認識です。

語学力よりも、基本的な業務遂行能力の方が大事であると。

語学はあくまでも、オプションに過ぎないのです。

 

基本的な業務遂行能力がなければ、またはコミュニケーション能力がなければ、語学だけできても仕事にはなりません。

これは、日本語が出来ても仕事にならないのと同じで、その人個人の魅力や人間力が問われる事もあるわけです。

 

外国語教育に力を入れる反面、コミュニケーションの能力も高めていかねばならない。

その為には、一定の業界におけるプロフェッショナルにならなければなりませんし、世の中の動きに関して自分の意見を持つ事も重要になってきます。

コミュニケーション能力とは一概に言いますが、実はかなり複雑な能力ですよね。

 

ただし、企業が求めているのはコミュニケーション能力が高い人間ではありません。

語学が堪能な人間でもありません。

 

結果を残す事ができる。

指示した事を実直にこなす事ができる。

自ら考えて行動し、積極的に取り組むことができ、期待を超えてくる。

海外でも物怖じすることなく、業務を遂行できる。

そして、自社の人間または日本人である事に誇りを持ち、品格をもって行動できる…。

 

企業によって様々でしょうが、本質はそのようなところにあります。

語学を学ぶ一方で、自分自身のブラッシュアップも欠かせませんよね。

 

 

 

尾登 正幸

ブログ著者:尾登 正幸

埼玉県出身。大学3年生の就職活動期に “人生を楽しむことを手伝える” 仕事での起業を決意。同じ志を持つ仲間と3年後の会社設立を目標として共有し、ノウハウを得るため2006年に人材派遣会社に就職した。2008年12月、仲間と共にRAYERED(株)を設立し、2010年からは代表取締役に就任。ビジョンの共有を核とする人事コンサルティングや、人事適性検査にフィードバックを付けるサービスはリピーターが多い。人事適性検査をフル活用した独自のスキームにより、企業と人のベスト・マッチングを提供している。

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