「選択定年制」…IHI、「再雇用時における給与底上げ」…三菱重工業、「ハームタイム勤務制度」…トヨタ自動車、「再雇用者に特別手当」…JFEスチール、賃金カーブ改定…NTTグループ

人事制度

2月8日 日本経済新聞からの抜粋+一部編集です。

 

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雇用延長の賃金再設計、「65歳」義務化へ三菱重やIHI、実績・役割で上乗せ

 

希望者に対して65歳までの雇用延長を企業に義務付ける高年齢者雇用安定法の4月改正を見据え、IHIや三菱重工業などが雇用延長後の賃金制度を見直す。

定年後に一律に給与を減らして再雇用する従来型の制度を改め、定年前の実績を給与に反映させる仕組みなどを取り入れる。

総人件費の増加につながる制度改正にあえて踏み込み、60歳以上の働き手が持つ能力を有効活用する。

 

IHIは4月から、59歳になった時点で定年を60~65歳の間で選ぶことができる「選択定年制」を導入する。

 

従来の「再雇用制度」は60歳定年時に退職金を支給して賃金を5割に減らしたうえ、短時間勤務などを選ぶ仕組みだった。

選択定年では原則として60歳前と同じ業務でフルタイムで勤務できる。

賃金は徐々に下がるものの、リーダー(班長)など現場の職分や評価に応じて金額を上乗せする。

働きに応じて賃金が変わる仕組みだ。

退職金は定年時に受け取るが原則として60歳で退職した時の額に据え置く。

 

三菱重工業は60歳の定年後に社員を再雇用する際、定年前の業務や役割を賃金に反映させたり、定年後も能力に応じた業務を割り当てたりする仕組みの導入を労働組合に提示した。

詳細は今後詰めるが月内の合意と4月からの運用を目指す。

 

これまでの同社の再雇用制度では、給与を定年前より約4割減らして1年ごとに契約を更新していた。

新制度でも契約期間は変わらないが、再雇用者の実質的な給与底上げにつながる見込みだ。

将来的に定年を現在の60歳から65歳に延長することを見据える。

 

再雇用制度の改定が製造業で進むのは、熟練技術、専門技術を持つ社員の高齢化が進んでいるからだ。

 

例えばIHIの場合、4月からの新制度の対象となる社員は今年だけで約300人に及ぶ。

各社の取り組みの背景には、若手への技術伝承を継続的に進めるとともに、定年後の社員をつなぎ留めることで技術の社外流出を防ぐ狙いがある。

 

同様の動きは急速に広がりつつある。

 

三菱電機は2013年度から、雇用を延長した社員の給与を12年度の年収ベースから約2割引き上げる。

 

ほかにも

トヨタ自動車が定年後の高齢者のハーフタイム勤務の本格導入を検討したり、

JFEスチールが再雇用するリーダークラスの賃金に月額3万5000円を上乗せする仕組みを導入したり

している。

 

ただこうした雇用延長者の待遇見直しは若手社員の賃金や処遇に影響を与えかねないとの慎重論も根強い。

総人件費抑制と雇用延長の両立は、新規採用抑制や若手社員の待遇悪化につながりかねないからだ。

 

既にNTTグループは今秋をめどに現役世代の賃金カーブの上昇を抑える制度の導入を決めた。

再雇用者の賃金見直しは今後、公的年金とは別に企業が独自に決めている企業年金の支給開始年齢なども含め、雇用体系全般の再設計につながる可能性がある。

 

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ハーフタイム勤務制度。

選択定年制。

65歳までの雇用義務化まで目前と迫っている今、賃金を再設計する企業が大手企業を中心に進んでいるようです。

 

まだ施行されていないものの、何かしらの影響が出る事は必須ですよね。

65歳義務化に関しての記事は、最近では多く取り上げられています。

 

・新卒社員の採用抑制

・賃金カーブの見直し

・選択定年制やハーフタイム勤務制度など、新たな(もしくは復活)制度導入

 

このあたりの話題が多いように思います。

 

雇用に関する事なので、非常に重要な話題ですよね。

今後の動きにも注目です。

 

 

尾登 正幸

ブログ著者:尾登 正幸

埼玉県出身。大学3年生の就職活動期に “人生を楽しむことを手伝える” 仕事での起業を決意。同じ志を持つ仲間と3年後の会社設立を目標として共有し、ノウハウを得るため2006年に人材派遣会社に就職した。2008年12月、仲間と共にRAYERED(株)を設立し、2010年からは代表取締役に就任。ビジョンの共有を核とする人事コンサルティングや、人事適性検査にフィードバックを付けるサービスはリピーターが多い。人事適性検査をフル活用した独自のスキームにより、企業と人のベスト・マッチングを提供している。

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