適性検査(0):適性検査とは

人事適性検査

 「適性検査」というニッチな商品・市場でビジネスをしていますが、色々と思う事・感じる事があります。

 

それは、適性検査に関する理解度が低い…というものです。

「紙っぺらで人間の何が分かるんだよ」

なんて思っている方も多いかもいしれません。

 

クライアントの中には、

「適性検査を使っているものの、見方が良く分からない」

「異動で人事部に来たけれども、社内に適性検査が分かる人間がいない」

「FAXで回答用紙を送って返信が来る…それだけ」

「マッチング率の高さや、評価の高い人材を選んでいる」

なんて声も良く聞きます。

 

実は、

適性検査を売っている営業マンですら、適性検査をあまり理解していない事が多い

のです。

 

自社の商品の理解度が低い営業マンというのは、どの業界にもいるものですが…。

「適性検査を使いこなそう」という認識よりも、「適性検査を売る」という認識が強い為ですね。

 

適性検査の場合、パッケージとして売るだけでは足りず、「使いこなす」「読み込む」事が重要になってきます。

ヒトに関わる事ですし、企業にとって採用活動というのは非常に重要なプロジェクトです。

導入すればそれで終わり…ではないのですよね。

 

矛盾しているようですが、適性検査は100%有能なわけではありません。

ヒトは機械ではなくナマモノなので、感情もあれば理性もあります。

適性検査によってヒトを100%分類する事なんて、不可能な事なのだと思います。

 

適性検査では、ヒトをあらかじめ用意された答えに当て込めます。

あなたは○○タイプ、あなたは△×タイプ…のように。

ヒトというのは、そんなに簡単なものなのでしょうか。

アンケートに答え、FAXでやり取りする程度のレベルでヒトの全てが分かる…というのは、少し暴論であるとも言えます。

 

それは、どの適性検査に関しても言える事です。

あくまでも統計学。

当然適性検査によって精度は違ってきますが、それでも導入すれば万事OKというわけではありません。

 

後日記事にもしますが、そこが適性検査の「限界」であり「死角」でもあります。

いかに「使いこなすか」「読み込むか」が重要になってきます。

 

なお、性格というのは、環境や教育によって大きく変わるものです。

先天的な部分は当然ありますが、後天的な部分が大きく影響してきます。

一卵性双生児のようにDNAレベルで非常に類似している状態であっても、性格や能力は環境や教育によって変わると言われています。

 

批判的な見解を述べてきましたが、それでも適性検査はすべきであるというのが私の見解です。

 

経済界では、採用活動に大きく時間をさく事が難しくなっています。

その為、適性検査は非常に重要なデータとも言えるのです。

履歴書やエントリーシート、さらには面接だけでは読み取れない部分を、適性検査は補ってくれます。

100%正確な情報とは言えないまでも、非常に貴重な客観的データとも言えるのではないでしょうか。

 

結果指標を出して判断するだけでは弱いですが、読み込む事によってより受検者の事を理解する事が出来ます。

 

つまり、

「適性検査をうまく使いこなす」

必要があると思っています。

 

プロスポーツの世界では、膨大な客観的データを基に、さらには実際に目で見て判断をしています。

しかし、経済界ではそれができません。

あくまでも「期待採用」。

プロスポーツの世界のように、実際に仕事ぶりを目で見ることはできませんし、1年間という長い期間をかけてスカウティングする事もできません。

いかに採用活動が難しいか、お分かり頂けるのではないでしょうか。

 

そこで、適性検査に関わっている者として、適性検査に関する話をしていこうと思います。

 

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(採用時)適性検査に関して

① 適性検査はお客様アンケートと同じ

② 適性検査の選び方、目的に応じた使い分けを

③ スポーツ業界から学ぶ適性検査の必要性、スカウティングの重要性

④ 使いこなせていない適性検査、導入するだけでは弱い

⑤ 業界初のサービス【適性検査+フィードバック】

⑥ 適性検査の死角、限界

⑦ IT化が進んで効率化されても、採用の本質的な部分は変わらない

  ~人間は感情・理性のある「ナマモノ」であり、機械ではない~

⑧ 適性検査を売っている営業マンも、実は使いこなせていないし理解していない

⑨ 適性検査の価格

⑩ 人材派遣・人材紹介ビジネスの矛盾、マッチングは興味無し、知識も無し

⑪ まとめ:適性検査って結局どうなの?

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たかが適性検査、されど適性検査…です。

次回のテーマにあるように、適性検査はお客様アンケートと同じ事なのです。

 

お客様アンケートは取るだけでは意味が無く、それを分析する必要があります。

その目的は「(売上増に繋げる為に)お客様の事を知る」ですよね。

適性検査も同じで、受検者を知る為に取るものであり、かつ分析せねばなりません。

ただ抽出された結果指標だけでは、深く理解した事にはならないのです。

 

ヒト・採用に関わる事なので、非常に重要な事だと思っています。

これを機に、適性検査に関して色々と見つめ直して頂きたいですね。

 

 

尾登 正幸

ブログ著者:尾登 正幸

埼玉県出身。大学3年生の就職活動期に “人生を楽しむことを手伝える” 仕事での起業を決意。同じ志を持つ仲間と3年後の会社設立を目標として共有し、ノウハウを得るため2006年に人材派遣会社に就職した。2008年12月、仲間と共にRAYERED(株)を設立し、2010年からは代表取締役に就任。ビジョンの共有を核とする人事コンサルティングや、人事適性検査にフィードバックを付けるサービスはリピーターが多い。人事適性検査をフル活用した独自のスキームにより、企業と人のベスト・マッチングを提供している。

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