適性検査④:使いこなせていない適性検査、導入するだけでは弱い

人事適性検査

 

適性検査に関して、色々とご紹介していきたいと思います。

ニッチな商品・業界だからこそ、よく知らないという方も多いのではないでしょうか。

 

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【適性検査に関して】

① 適性検査はお客様アンケートと同じ

② 適性検査の選び方、目的に応じた使い分けを

③ スポーツ業界から学ぶ適性検査の必要性、スカウティングの重要性

④ 使いこなせていない適性検査、導入するだけでは弱い

⑤ 業界初のサービス【適性検査+フィードバック】

⑥ 適性検査の死角、限界

⑦ IT化が進んで効率化されても、採用の本質的な部分は変わらない

  ~人間は感情・理性のある「ナマモノ」であり、機械ではない~

⑧ 適性検査を売っている営業マンも、実は使いこなせていないし理解していない

⑨ 適性検査の価格

⑩ 人材派遣・人材紹介ビジネスの矛盾、マッチングは興味無し、知識も無し

⑪ 採用時における適性検査の導入事例

⑫ 組織分析における適性検査の導入事例

⑬ まとめ:適性検査って結局どうなの?

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【④ 使いこなせていない適性検査、導入するだけでは弱い】

 

これまで、適性検査の重要性について述べてきました。

目的や用途に合わせて、適性検査を導入する。

ただし、実際は導入するだけでは足りないと思っています。

 

通常、適性検査を導入した場合は

Ⅰ:回答用紙をFAX等で送る

Ⅱ:適性検査の結果がFAXないしメールで返信される

という流れになるかと思います。

 

そして、

・優秀であると診断されている者(A判定など)

・マッチング率などが高いと診断されている者(マッチング率80%など)

等を中心に、ピックアップしていきます。

 

確かに、それだけでもかなり採用の成功率は向上します。

導入しないよりかは、当然導入した方が良い事は間違いありません。

しかし、よりその人物がどんな人材なのかを知る為には、「読み込み」が必要になってきます。

 

前回のblogで、スポーツ業界に見るスカウト事情をお話致しました。

適性検査の結果は、言ってしまえば候補者のデータです。

スポーツ業界のスカウトは、果たしてデータだけを見て判断しているのかどうか…という事です。

 

打率、出塁数、本塁打数、盗塁数、防御率という数値だけを見て、判断しているでしょうか。

首位打者であれば優秀、本塁打王であれば優秀、甲子園の優勝投手なら優秀…と判断するでしょうか。

数値だけを見て判断するのではなく、もっと深く読み込むと思います。

 

例えば左投手の時に本塁打が多いとか、右投手の時しか盗塁が成功しないとか、内角は弱いが外角は強いとか。

出てきた数値を見ただけで優秀と判断するのではなく、様々な部分を読み解いていきますよね。

「ああ、この年代は良いピッチャーがいないから、全体的に数値が良くなっているのだろう」

という判断もあるかもしれません。

 

貸借対照表や損益計算書であっても、色々と分析すればこそより深く知る事ができます。

売上が毎年伸びていれば優良なのか、従業員が毎年増えていれば優良なのか…。

 

確かに、その数値だけ見ればある程度は判断できるかもしれません。

しかし、「読み込む」事でより深い事が分かってくるわけですよね。

 

客観的なデータとも言える財務諸表ですら、読み込む事が大切なわけです。

ヒトの手で回答し、ナマモノである人間のデータで、かつあまり客観的であるとは言えない適性検査。

読み込まずして、その人となりが分かるわけがありません。

 

財務諸表を読み込む大切さは深く理解しているのに、適性検査になると導入しただけで満足してしまう…。

マーケティングや財務を分析する重要性は深く理解しているのに、人事ともなるとあまり分析しなくなる。

この矛盾とも言える意識の違いは、適性検査の導入企業において非常に多く見受けられるのです。

 

従業員を分析するという意味でも、適性検査の結果は役立てる事ができます。

 

従業員が退職を願い出る一番の理由は、人間関係だと言われています。

コミュニケーションと言うのは、非常に重要である事は誰にでも理解できる部分です。

表に出ない部分、性格的に表に出さない部分、そのような「隠れた資質」を適性検査は指摘してくれます。

 

言わずもがな、上司は部下の事を良く知る必要があります。

部下も人間です。

一人ひとり個性がある事は勿論の事、得意不得意や譲れない部分だって違います。

モチベーションのポイントも違えば、飲み会のようなイベントごとが嫌いな人間もいます。

上司は、部下一人ひとりの特徴を把握していく必要があります。

もちろん、部下も上司の事を知る必要がありますよね。

 

コミュニケーションで悩んでいる事が、適性検査の結果に解決のヒントが隠されているかもしれません。

大抵の問題と言うのは、コミュニケーション不足から来るものです。

特に今の若い子はデジタル世代なので、面と面でのコミュニケーションは苦手と言われています。

お酒も飲まなくなってきており、いわゆる「飲みニケーション」を嫌う若者も増えています。

 

適性検査は、その人の事をより理解する為に一躍かってくれるものだと思います。

導入するだけでは、その人となりを完全に理解する事はできませんし、機能を最大限に活用できているとは言えません。

「読み込む」事で、完全とは言わないまでもより深く知る事ができます。

 

適性検査のデータは、知らないよりは知っておいたほうが良い。

1番最初にblog記事にしましたが、適性検査はお客様アンケートなのです。

つまりは、従業員の声でもあります。

その方の貴重なデータなのです。

 

RAYEREDでは、スタッフが適性検査の結果を読み込んで解説し、クライアントにお渡しするサービスを行っています。

また、必要であれば適性検査の読み方をお伝えし、人事戦略・採用戦略に大いに役立てて頂いております。

人事とは、「ヒトのプロフェッショナル」です。

たかが適性検査と思わず、受検者の重要な声と認識し、読み込む事を推奨致します。

 

いかがでしたでしょうか。

次回は、「業界初のサービス【適性検査+フィードバック】」をテーマにご紹介していきたいと思います。

 

 

尾登 正幸

ブログ著者:尾登 正幸

埼玉県出身。大学3年生の就職活動期に “人生を楽しむことを手伝える” 仕事での起業を決意。同じ志を持つ仲間と3年後の会社設立を目標として共有し、ノウハウを得るため2006年に人材派遣会社に就職した。2008年12月、仲間と共にRAYERED(株)を設立し、2010年からは代表取締役に就任。ビジョンの共有を核とする人事コンサルティングや、人事適性検査にフィードバックを付けるサービスはリピーターが多い。人事適性検査をフル活用した独自のスキームにより、企業と人のベスト・マッチングを提供している。

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