外国人新卒を辞めさせない為に…「日本で働く為の基礎を固める2年間の研修」「特別扱いせず、日本に慣らす」アルプス電気

人事ニュース

 

グローバル人材の確保と言う事で、外国人を採用する企業が増えています。

グローバル展開をする為には、現地にも通じている優秀な人材が必要。

日本での外国人採用もありますが、現地法人での外国人採用も当然ありますよね。

 

当然、色々と苦労している企業も多いようです。

日本企業の日本人採用でも様々な課題があるわけですから、当然外国人採用ともなれば尚の事。

文化の違いからの戸惑いもありますが、多くの企業が頭を悩ませているのが「定着しない事」。

外国人が日本企業に入っても、「3年以上勤める人は半数」と言われている位です。

 

その中でも、アルプス電気社は、外国人の新卒採用を始めて、今年で25年になると言います。

日経産業新聞の中で、その様子が取り上げられていました。

 

【6月10日 日経産業新聞 外国人新卒 やめさせない、アルプス電気…特別扱いせず、日本に慣らす】

※アルプス電気社は、世界14ヵ国46拠点にて事業展開、海外売上高比率は約8割

 従業員約38,000人のうち、日本人は約6,000人程度

 

アルプス電気社は「マッチング期間」「特別扱いせず」という独自の哲学を持っているそうです。

 

1:マッチング期間

 「IAP(インターナショナル・アソシエイト・プログラム」という2年間の研修

 現地の大学を卒業した技術者を日本に招く

 対象者の日本語能力は問わず、契約社員として雇用するものの、人事考課はしない

 雇用条件は、正社員に準じているが、日本語や文化を教える事がメイン

 外国人が日本で働く為の基礎を固める時期

 

2:外国人を特別扱いしない

 特別扱いをすると、なじむのが遅れ、定着に繋がらないと考える

 入社後は、各地の社員寮に入れる

 日本人社員と同じ屋根の下で生活をする事で、様々な習慣に慣れさせていく

 夏祭り等も開催し、家族ぐるみで付き合う日本企業の社員の結びつきを肌で感じてもらう

 

 特別扱いしないとは言え、きっちりとフォローし、人事部が決め細やかなケアを続ける

 生活や仕事に慣れ始めた1年目に進路相談や相談会を開催

 IAP終了後に日本で働きたいか、どんな仕事をしたいかなど人事部が聞き取りをする

 ストレス軽減の為に、IAPに参加する外国人社員のみで富士山登山を計画

 あえて外国人のみで登山を楽しんでもらい、悩みを相談しあう場を設ける

 

これらのアルプス電気社の取り組みは、様々な企業にとって参考になるのではないかと思います。

 

そしてやはり重要なのが、キャリアアップに関してですよね。

これは、多くの外国人が不満を持ち、日本のキャリア文化との違いに戸惑う部分です。

 

日本のキャリアアップは、かなり漠然としている事が多く、それが外国人にとって不満要素となります。

「○○が出来たらキャリアアップ」

「○○の売上を上げる事ができたらキャリアアップ」

等、どうすればキャリアアップできるのか、具体的かつ明確な指標を求めているのです。

 

しかし、日本は終身雇用の文化が影響してか、

「お前はまだ早い」

「まずは現場でスキルを磨け」

「目の前にある仕事に集中しろ」

など、かなり抽象的です。

 

この「抽象性」が、外国人社員の定着には大きな影響を及ぼすのです。

出来るだけ具体的に、そして明確に。

キャリアアップのイメージをしっかりと持たせてあげる事が、基本事項としては必要になります。

 

一部の企業では長年外国人採用を行っていますが、ここ最近採用を始めたという企業も多いのではないでしょうか。

他社の事例なども参考にし、より良い人事戦略・採用戦略を行って頂きたいと思います。

 

 

 

 

尾登 正幸

ブログ著者:尾登 正幸

埼玉県出身。大学3年生の就職活動期に “人生を楽しむことを手伝える” 仕事での起業を決意。同じ志を持つ仲間と3年後の会社設立を目標として共有し、ノウハウを得るため2006年に人材派遣会社に就職した。2008年12月、仲間と共にRAYERED(株)を設立し、2010年からは代表取締役に就任。ビジョンの共有を核とする人事コンサルティングや、人事適性検査にフィードバックを付けるサービスはリピーターが多い。人事適性検査をフル活用した独自のスキームにより、企業と人のベスト・マッチングを提供している。

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